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なぜ当社は自社ECしかないのか?知識と経験の蓄積こそ未来への希望

はじめまして。ケアースマートのさわです。
当社は設立間もない、主にアプリ開発を主軸事業とするIT企業です。

そんな当社が、この度、まったく新しい分野への挑戦として「健康食品」のEC販売を開始いたしました。その際、多くの方からこんなご質問をいただきます。

「なぜ、楽天やAmazonに出店しないのですか?」

集客力のある大手プラットフォーム(ECモール)に出店すれば、手っ取り早く売上が見込めるのではないか、と。確かに、そのお考えは一理あります。

しかし、私たちはあえて「自社ECサイト」という、一見すると遠回りに思える道を選びました。 本日は、私たちがなぜ「自社EC」という選択肢にこだわったのか、その戦略的な理由と、そこに込めた未来への希望についてお話しさせていただきます。

1. 「出店」という選択肢の裏側にある現実

楽天、Amazon、Yahoo!ショッピング…。これらの巨大なECモールは、圧倒的な集客力を誇ります。そこに出店することは、いわば「一等地にある巨大なショッピングモールにテナントとして入居する」ようなものです。

確かに、何もしなくてもお客様の目に触れる機会は増えるでしょう。
しかし、その「便利さ」には大きな代償が伴います。

依存というリスク まず、第一に「プラットフォーム依存」のリスクです。私たちはあくまで「場所を借りている」に過ぎません。ルール変更一つで、これまで通用していた販売戦略が使えなくなることもあります。最悪の場合、アカウントが停止されれば、その日のうちに売上はゼロになります。そして何より、貴重な「お客様のデータ」は、すべてプラットフォーム側のもの。自社に顧客リストとして蓄積されにくいのです。

避けられない手数料と広告競争 そして、最も大きな要因が「コスト」です。 出店料、売上に対する高い販売手数料、決済手数料…。売上が上がれば上がるほど、一定の割合でプラットフォームに支払う金額も増え続けます。

「それでも集客力があるのだから」と思うかもしれません。しかし、現実は甘くありません。 巨大モールには、当然ながら無数のライバル店がひしめき合っています。その中で自社の商品を見つけてもらうためには、結局のところ、モール内で多額の「広告費」を投下し続ける必要があります。

「モールに出店すれば売れる」のではなく、「モールに出店し、さらにそこで広告合戦に勝たなければ売れない」というのが実態に近いのです。

2. どうせ広告をかけるなら「自社の土地」で

ここで、私たちは一つの結論に至りました。 「最終的に多額の広告費をかけるのであれば、高い手数料を払って“他人の土地”で戦うよりも、すべてが自社の資産となる“自分の土地(自社EC)”で戦うべきだ」と。

自社ECサイトであれば、販売手数料はかかりません(決済手数料は除く)。モールに支払うはずだった手数料分も、すべて広告宣伝費や商品開発に回すことができます。

もちろん、自社ECは立ち上げただけでは誰も訪れません。「集客」をすべて自力で行う必要があります。 しかし、これこそが私たちが最も得たかった「経験」なのです。

  • どうすれば検索エンジンで上位に表示されるのか?(SEO対策)
  • リスティング広告の最適な運用方法は?
  • InstagramやX(旧Twitter)でのSNSマーケティングはどう行うべきか?
  • 今話題のインフルエンサーマーケティングの効果は?

これら多岐にわたる広告施策を、自分たちのお金とリソースを使って「実践」する。失敗もするでしょう。しかし、その一つ一つの試行錯誤が、そのまま当社のノウハウとして蓄積されます。

売上が上がれば、それは「自社ECで、この広告手法を使って売上を立てた」という、何物にも代えがたい「実績」となります。

3. 実務経験こそが、未来のコンサルティング事業の核となる

ここで、当社の「未来の姿」についてお話しさせてください。 私たちの現在のメイン事業はアプリ開発ですが、将来的に目指しているのは「クライアントの課題を、実務から売上拡大コンサルティングまで一気通貫で支援できる会社」です。

「アプリを作って納品して終わり」ではありません。 「そのアプリをどうグロースさせるか?」「どうマネタイズするか?」 そういった、クライアントが本当に求める「成果」にコミットできるパートナーになることです。

しかし、「コンサルティング」と口で言うのは簡単です。 自分たちで商品を仕入れ、サイトを構築し、身銭を切って広告を運用し、お客様からクレームを受け、実際に売上を立てた経験がない人間の言葉に、どれほどの説得力があるでしょうか?

私たちは、机上の空論を語るコンサルタントにはなりたくありません。

今回の健康食品販売は、私たちにとって「実践経験を積むための核(コア)」となるプロジェクトです。

  • ECサイトのカートシステムの設定(Shopify, EC-CUBE, etc…)
  • 各種広告媒体のアカウント開設と設定
  • アクセス解析ツール(Google Analytics)の導入と分析
  • 顧客対応(CS)のオペレーション構築

これらすべてを自社で経験することで、EC運営に関するあらゆる「実務レベル」の知見が溜まっていきます。

将来、クライアントから「ECサイトを立ち上げて売上を伸ばしたい」というご相談を受けた時、私たちは単なる戦略を提示するだけではありません。 「広告設定の実務、当社で巻き取れますよ」 「このカート設定、ここが躓きやすいのでサポートします」 といった、実務レベルでの具体的なサポートが可能になります。

アプリ開発で培った「ロジカルなシステム構築力」と、自社EC運営で培う「泥臭いマーケティング実践力」。この両輪こそが、他社には真似できない当社の強みになると確信しています。

4. 蓄積されたノウハウは「最強の資産」となる

そして、この挑戦で得られる最大の果実。それは「再現性のあるノウハウ」です。

今回、私たちが健康食品の販売を通じて身につけたEC運営術やマーケティング手法は、一度きりのものではありません。 次に私たちが第二、第三の自社プロダクト(それがアプリであれ、別の日用品であれ)を世に出す時、この経験は「成功への設計図」としてそのまま活用できます。

どのターゲットに、どの広告媒体で、いくらの予算を投下すれば、どれくらいの反響が見込めるか。 その「勝ち筋」のデータを自社で保有していることは、スタートアップである当社にとって、何よりも強力な武器となります。

終わりに

私たちが「自社ECしかない」理由は、目先の売上や効率を優先しなかったからに他なりません。 それは、一見遠回りに見えても、確実に「知識」と「経験」という名の資産を社内に蓄積するための、未来への戦略的な投資です。

当社のECサイトは、単なる「健康食品の販売ページ」ではなく、私たちの「未来を創るための研究開発室」そのものです。

私たちのこの挑戦が、今後どのように成長していくのか。 そして、ここで培った経験が、将来クライアント様の課題解決にどう貢献していくのか。 ぜひ、温かく見守っていただけますと幸いです。

(そしてもちろん、私たちが実践の場で試行錯誤している健康食品も、自信を持ってお届けできる良い製品ですので、よろしければぜひご覧ください。)

最後までお読みいただき、ありがとうございました。